美祢社会復帰促進センターは、
我が国初の官民協働(国と民間が協力して運営する)の刑務所として発足しました。
官民協働施設ならではの特徴を活かしてより良い矯正処遇を追求し、
地域の皆さまの安心・安全・誇りにつながる施設を目指しています。
新着情報
美祢社会復帰促進センターとは
2007年4月、美祢社会復帰促進センターは、我が国初の官民協働の刑務所として発足しました。1期目の事業期間において、センターの整備はPFI事業者によって行われ、運営の一部も委託されました。事業期間の2期目に入る2025年4月からは「公共サービス改革法」による民間委託に切り替わり、引き続き国と民間が協力して刑務所運営を行っています。
民間事業者のアイデアやノウハウを活用しながら、官民双方の持ち味を活かし、より良い矯正処遇の形を目指しています。当センターでは受刑者をセンター生と呼んでいますが、「受刑者の更生と再犯防止を実現することが、国民の安全・安心な生活を守ることにつながる」という信念のもと、施設が一体となってさまざまな取り組みを行っています。

施設の特徴

ICT等の最新技術を活⽤し、官⺠協働ならではの職業訓練や就労訓練を実施
第2期事業(2025年4月~)より、ICTを活用した新しい教育や職業訓練を試行しています。
職業訓練では、センター生自身が3DCGの技術を習得し、訓練の中でメタバース空間(ワールド)を制作する「XRスキル科」を新たに立ち上げ、時流に合った職業スキルの付与を行っています。
就労支援では、VR(バーチャルリアリティー)を活用したSST(ソーシャルスキルトレーニング)等を行い、実社会の生活場面や就労場面を想定したトレーニングを行うことで、出所後の円滑な社会復帰を支援しています。

地域密着・貢献型の職業訓練を実施
センター生たちは、施設の中で過ごす時間は“美祢市民”です。センターが地域と共生していく、そのために、センター生自身が地域の一員として地域課題の解決に貢献していく機会を数多く提供しています。
中でも、美祢市の特産物の魅力をポスターで表現する「販売戦略科」など、センター生が地域の方から直接お話をお伺いする機会を作り、地域課題解決へ貢献する経験を積むことで地域貢献意識を養い、再犯防止×地域との共生を実現しています。

更生や円滑な社会復帰が見込まれる受刑者を収容
美祢社会復帰促進センターでは、更生意欲が高く再犯のリスクが低いセンター生を中心に収容しています。
私たちは、彼ら彼女らの受刑生活がこの1回きりとなり、社会復帰を円滑に行うことで、少しでも新たな被害者を生まない世の中になることを目指しています。その実現のために、センター生への教育や職業訓練に加え、安定した施設運営のために日々業務を行っています。

受刑者が主体的に社会復帰を目指すための支援
拘禁刑の施行に伴い、各センター生の特性に応じた柔軟な処遇を実現するために、入所初期の段階から出所後の生き方をセンター生が自ら主体的に考え、その実現に向けてセンター内での生活を過ごしていく取り組みを行っています。
センター生が主体的に自身の人生観や課題性について考え、自己との向き合いや計画の立て直しを行う機会を定期的に設けることで、様々なハードルのある出所後の社会復帰をより円滑なものとすることを目指しています。

位置情報把握システム
センターヘの入場者(受刑者・刑務官・民間職員・来訪者等)に無線タグを装着し、位置情報をリアルタイムに把握します。センター生については生体認証装置により、無線タグと本人の所在確認を行います。センター内でのセンター生の独歩運用をサポート、刑務官の業務負担低減を図るとともに、警備業務の効率的・効果的運用を実現しています。センター生を病院や他の施設に護送する場合にも、GPSと通信機能を備えた位置情報把握システムを活用し、逃走などの保安事故を防ぐ対策をとっています。

高い塀のない刑事施設
当センターでは、各種センサーやCCTV カメラ、電気錠、センター生の施設内の所在地を把握する仕組み等、ハイテク技術を 活用して保安に万全の配慮をしています。また、センターの周囲に多重のフェンスを張り巡らせ、各種防犯センサーを充実させることで安全性を高めるとともに、外側フェンスには天然素材のヤシ繊維マットをはわせることによって外部から の俯瞰の防止と環境への調和を図っています。
センターの運営に関わる民間企業のご紹介
- 職業訓練
- 教育
- 調査・支援
- 医療
- 情報システム管理
株式会社⼩学館集英社プロダクション
出所後の再犯を防止するためにセンター生にどのような処遇を行うべきか、職業訓練や教育、調査・支援(就労支援等含む)、医療が連携して検討し、国側への提案・協議を行いながら進めています。情報システム管理業務では、センター生が活用する図書貸出や、センターに届く郵便物の管理、面会のための予約システムの運営を担っています。
- 給食
- 洗濯
- 清掃
エームサービス株式会社
給食や衣類・寝具の提供、洗濯、理美容、日用品支給など、受刑生活の「衣・食・住」に加えて、施設の職員食堂や清掃・植栽なども担っています。
特に安全で衛生的な食事の提供は、センター生の健康保持のみならず心情安定にも密接に関係しており、季節の行事に伴う行事食は、出所後の社会生活を円滑にするためにも重要な要素の一つでもあります。
- 警備システム
NECネッツエスアイ株式会社
セコム株式会社とともに、刑務所運営においてもっとも重要な「保安」の一翼を担っています。美祢社会復帰促進センターの大きな特徴の一つである、センター生の独歩を可能とするためのICタグ等による位置情報システムを配備し、最先端の技術とノウハウで施設内警備の安定運営に寄与しています。
- 維持管理
⼤林ファシリティーズ株式会社
刑事施設における建物自体の保守・維持管理を行っています。建物の主要構造部(壁や柱など)の半分以上を改修するような大規模なものは国側が行うことになっていますが、それに当てはまらない細かな修繕は民間企業が担当しています。建物の機能を適切に維持することで、施設全体の安全運営を守っています。
- 警備
- 警備システム
- 作業
- 総務
セコム株式会社
警備業務では、NECネッツエスアイ株式会社とともに、刑務所運営において最も重要な「保安」を担っています。入退室管理設備、監視カメラなどの警備システムを構築し、刑務官の負担軽減に貢献しています。また、施設警備として、庁舎受付など、来庁される方にとっての最初の窓口も務める「施設の顔」としての役割も担っています。
作業業務では、センター生が行う作業を提供する企業の開拓や、作業中の技術指導等を行い、センター生の円滑な社会復帰の一助を担います。
総務業務では、庶務や経理など刑務官が行う事務の支援や、車両の運転、センター生が入所した際に所持していた物品等の管理、面会の受付など、幅広く施設の運営を支えています。
- 医療
ティーエスアルフレッサ株式会社
施設内で利用している医療機器の保守と管理を行っています。センター生の健康維持は、彼ら彼女らに科せられた刑期を全うし、更生を目指す上で非常に重要です。入所時よりも健康状態が悪化することのないよう、センター内では、入所時健康診断や定期健康診断がすべてのセンター生に実施されます。そのための土台を支えています。