⼊所してすぐ
入所直後には、どのような処遇(刑務作業や教育、職業訓練などの更生を促す支援・所内活動)が望ましいかを調査する「処遇調査」が行われ、センター生の個々の特性に応じたセンター内での生活の計画が立てられます。
この処遇調査を経てからが本格的なセンター内での生活の開始となります。
刑務所での⽣活①(改善更⽣のための取り組み)
改善更生を目的とした様々な教育プログラムが提供されています。センターでの生活の大きな部分は、職業訓練を含めた刑務作業、教育、就労支援などの矯正処遇が占めており、更生や円滑な社会復帰に向けた取組を実施しています。
また、センター生一人ひとりに対してどのような処遇が適切なのかを決めるため、定期的に面談が実施されています。
動作[平日]

動作[休日]


⾯談
それぞれに合った適切な教育プログラムや就労支援、福祉的支援を提供するために、民間職員による面談が行われており、センター生それぞれのカルテのような書類が作成されます。
そこでの情報は教育・職業訓練・医療・就労支援等の各分野の職員で共有されており、より良い処遇や支援へと繋がります。
センターでは、センター生が出所後の社会復帰のために主体的に更生を目指すことができるよう、面談等を通した動機付けに力を入れています。

教育
一般改善指導と特別改善指導という大きく二種類に分かれています。
一般改善指導は、必要とするすべてのセンター生に向けて一般的に行われる教育です。
センターでは、自己管理能力を高める「生活向上スキルプログラム」やコミュニケーションの問題にフォーカスした「対人関係サポートプログラム」など、センター生の持つ問題性に合わせて開発された教育プログラムを多数実施しています。
特別改善指導は、罪状等に応じて法律で決められている教育です。薬物関連の罪を犯した場合は薬物依存離脱指導、交通事故に関係する場合は交通安全指導、といったものがあります。

刑務作業
改善更生や円滑な社会復帰を図る上で重要な処遇の一つです。
刑務作業を行うことは、それ自体が規則正しい所内生活及び心身の健康維持と勤労習慣の助けとなります。また、作業における責任感を醸成し、必要な知識やスキルを身に付けることにより、出所後のスムーズな社会復帰を促進することを目的としています。
センター内には数多くの訓練室があり、山口県オリジナルのユリの品種を栽培するなど地域の産業と連携した取り組みも行っています。
刑務所での⽣活➁(社会復帰のための取り組み)

職業訓練
センター生の出所後の就労や円滑な社会復帰に繋げることを目的とし、さまざまな仕事に対応できる職業技能を付与する訓練を企画し実施しています。
PCスキルを養う訓練など基本的なビジネススキルを養うもののほか、出所後のスムーズな就労につなげるために資格の取得が可能な訓練を多く提供しています。
センターでは、美祢市の特産品の魅力を引き出す広告ポスターを作成する「販売戦略科」や、犬の訓練やトリミングの技能を養う「ペット総合科」など、社会情勢に合わせて多種多様な訓練を行っています。

就労⽀援
出所後に就労できるどうかによって、再犯率が大きく変わる傾向があります。法務省が毎年行っている調査によると、再犯者の中で仕事に就いていなかった人の割合が非常に高くなっています。
就労先があることは、経済面の安定はもちろんのこと、社会とのつながりを保つという意味でも重要です。センターでは、出所する前から就労内定の取得を目指し、様々な支援を行っています。

福祉⽀援
センター生の中には健康上などの事情で就労が難しかったり、出所後に迎えてくれる親族がおらず帰る場所がなかったりする場合も存在します。
その際には、生活の基盤を安定させるために、出所後に福祉的支援を受けられるよう調整を行うことがあります。
生活基盤を整え孤立しないことが、再犯を防ぐためには非常に重要になります。
刑務所での⽣活➂(美祢オリジナルの取り組み)

家族フォーラム
センターでは、入所者の中でも割合が高い薬物事犯者に対する再犯防止の取組の一環として、「薬物依存からの回復を考える家族のためのフォーラム」というイベントを開催しています。
出所後の薬物依存からの回復にはご家族の理解が大切であるだけでなく、社会資源にうまくつながり支援を受けていくことも重要になります。
出所後の生活や活用できる社会資源についての情報を提供するとともに、日ごろご家族が感じておられる疑問を解消し、出所者の円滑な社会復帰に備える機会としていただいています。
出所前指導

出所が近いセンター生は、社会復帰の仕上げとして一定期間特別な指導を受け、人生の再スタートに向けた準備を行います。出所後の速やかな社会復帰につなげるため、出所後の生活についての様々な指導が行われるほか、施設外での社会奉仕活動(ごみ拾い等)を行うこともあります。
これらの指導を通して、センター生は出所へ向けて気持ちを整えていくことになります。
出所

仮釈放の場合は、出所後に一定期間の保護観察期間が設けられ、保護監察官や保護司に見守られながら社会復帰を目指すことになります。更生保護施設等に身を寄せる場合もあります。
センターの職員たちは、センター生が出所後再犯をせず社会に貢献してくれることを切に願いながら社会に送り出しています。